今回は「なんだか不器用だな」「同じ年齢の子より動きがぎこちないかも」と感じるお子さんの特性と、ご家庭でできるサポート方法についてお話しします。
運動の不器用さについて理解しましょう
お子さんの中には、年齢に見合った動きがうまくできなかったり、手や体を思うように動かすのが難しい特性を持つ場合があります。日常生活でよく「不器用さ」として見える特徴ですが、これは決してお子さんの努力不足ではなく、生まれつきの脳の発達特性によるものなんです。
お子さんも「どうしてうまくできないんだろう」と悩んでいることが多いため、周りの大人が理解して適切にサポートしてあげることがとても大切です。
どんなことが苦手になりやすい?
運動の不器用さがあるお子さんには、いくつかの特徴的な苦手さが現れることがあります。
■微細運動(手や指の細かい動き)の難しさ
- スプーンや箸をうまく使えない
- 文字を書くのに時間がかかる、字が大きく乱れる
- 服のボタンが留めにくい、靴ひもが結べない
【ご家庭でできること】
- スプーンの持ち方やボタンの練習を遊び感覚で取り入れましょう 例:「ボタンつけマット」や「ひも通しおもちゃ」で楽しく練習
- 鉛筆の代わりにグリップ付きの太めのペンを使うと疲れにくくなります
- 字を書く練習では、きれいさよりも「書けた!」という達成感を大切に
■粗大運動(体全体の大きな動き)の難しさ
- 階段の上り下りがぎこちない
- スキップやジャンプ、ケンケンが難しい
- 走り方が他の子と少し違って見える
【ご家庭でできること】
- おうちで一緒に「けんけんパ」や「カンガルージャンプ」など楽しい遊びを取り入れる
- バランス感覚を育てる「平均台ごっこ」(床にマスキングテープで線を引く)も効果的
- 「今日は前より長く立てたね」など、小さな進歩に気づいて具体的に伝えましょう
■目と手の協調(目で見て手や体を動かす力)の難しさ
- おはじきや指で数を数えるのが苦手
- ボールをうまく蹴ったり、キャッチできない
- 虫をつかまえるなど素早い手の動きが難しい
【ご家庭でできること】
- ボール遊びは風船や柔らかいボールから始めましょう
- 「間違い探し」や「マッチング遊び」で目と手の連動を無理なく練習
- 動きがゆっくりめの遊び(パズル、ブロック)も目と手の協調に役立ちます
子どもの心を守るために大切なこと
年齢的には「できて当たり前」と思われる動きが苦手だと、周りから「なぜできないの?」と言われることも多く、お子さん自身が劣等感を抱きやすくなります。この状態が続くと、友達関係の悩みや学習意欲の低下など「心の二次的な問題」につながることも。
【心を支える関わり方】
- 「ゆっくりでいいよ」「失敗しても大丈夫だよ」と安心感を伝えましょう
- できないことを指摘するより、「できたこと」に注目し、小さな成功体験を積み重ねる
- 家庭で無理に練習させすぎず、楽しい遊びの中で自然に取り入れる姿勢を
- 気になることがあれば、子育て支援センターや専門家に相談し、早めのサポートを検討しましょう
最後に…
子どもにはそれぞれの成長ペースがあります。「できる」「できない」で評価するのではなく、「どうすれば安心して挑戦できるか」を一緒に考えていくことが、お子さんの心の土台を育てる一番の支えになります。
焦らず、あたたかく見守りながら、お子さんの小さな成長を一緒に喜んでいきましょう。そして何より、お子さんの個性を認め、「あなたはあなたのままでいいんだよ」というメッセージを日々伝えていくことが大切です。
お子さんの成長を支えるパートナーとして、いつでもそばにいてくださいね。


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