
こんにちは
公認心理師・臨床心理士のふくろうです。
はじめに
外出先で癇癪を起こされると、周囲の目が気になり、強いストレスを感じてしまいます。
この記事では、外出先ならではの癇癪の起きやすさと、事前にできる工夫や対応の考え方を紹介します。
周囲の視線が、胸に刺さる瞬間
外出先で癇癪を起こす子どもへの対応に悩んでいる親は、きっと何度も辛い経験をしてきたのではないでしょうか。スーパーのレジ前で、突然床に寝転がって泣き叫ぶ子ども。電車の中で、大声を出して暴れ始める姿。公園で、お友達のおもちゃを取ろうとして激しく泣き出す瞬間。そのたびに感じる周囲の視線、聞こえてくるため息、時には投げかけられる言葉。
「もっとちゃんと躾けたら」「甘やかしているからよ」そんな声が聞こえてくるような気がして、親の心は深く傷つくことがあります。家では何とか対応できても、外出先では逃げ場がありません。その場から立ち去ることもできず、ただ早く癇癪が収まることを祈るしかない。そんな経験が積み重なると、外出すること自体が怖くなってしまうこともあるでしょう。
けれども、外出先で癇癪を起こすことには理由があると考えられています。そしてその対応に正解はないかもしれませんが、少しでも心が楽になる視点や工夫がある可能性があるのです。

買い物をしているときに癇癪を起すと本当に困ります。
外出先で癇癪を起こす理由
外出先で癇癪を起こす子どもへの対応を考える前に、まずはなぜ外で癇癪が起きやすいのかを理解しておくことが役立つ場合があります。
家とは違い、外の世界は刺激に満ちています。たくさんの人の声、車の音、店内のアナウンス、明るい照明、人混みの圧迫感。大人にとっては日常の風景でも、子どもにとっては処理しきれないほどの情報が押し寄せてくる空間である場合があります。その刺激の多さそのものが、子どもの心を不安定にさせることがあると考えられています。
また、外出先では予測できないことが次々と起こります。行きたかった場所に行けない、欲しいものが買ってもらえない、待たなければならない時間が長い。そうした思い通りにならない現実に直面したとき、家なら何とか我慢できることでも、外では我慢の限界を超えてしまう場合があるのです。
さらに、外出先では子ども自身も緊張していることが多いとされています。知らない場所、知らない人、いつもと違う状況。その緊張が積み重なったとき、些細なきっかけで感情が爆発することがあります。大人が思う以上に、子どもは外の世界で頑張っている可能性があるのです。
そして、外出先での癇癪は、家での癇癪とは違う意味を持つこともあります。親の注意が自分以外のことに向いている。買い物に集中していたり、他の人と話していたり、何かを探していたり。そのとき子どもは、自分が置き去りにされているような不安を感じることがあります。その不安が癇癪として表れる場合があるのです。
その場でできること、できないこと
外出先で癇癪を起こす子どもへの対応として、まず知っておきたいのは、その場で癇癪を完全に止めることは難しい場合が多いということです。激しく泣いている子どもに言い聞かせても、叱っても、なだめても、感情が高ぶっている最中には届かないことが多いとされています。
そんなときにできることの一つとして考えられるのは、まず子どもの安全を確保することです。周囲の人にぶつからないように、危ないものから離れるように、そっと誘導する。それ以上のことを無理にしようとしなくても大丈夫です。
そして、できるだけ落ち着いた存在でいること。周囲の視線が気になって、親自身が焦ったり怒ったりすると、その感情が子どもに伝わり、かえって癇癪が長引く可能性があります。深呼吸をして、自分の気持ちを落ち着かせる。それが実は、子どもへの一番の支えになる場合があります。
もし可能であれば、少し静かな場所に移動することも助けになることがあります。人通りの少ない隅、外の空気が吸える場所、車の中。環境が変わることで、子どもの気持ちが切り替わる場合もあります。ただし、無理に抱えて移動しようとすると、かえって抵抗が激しくなることもあるので、子どもの様子を見ながら判断することが大切です。
癇癪が収まり始めたら、「大変だったね」と短く声をかけてみる。その一言が、子どもにとっては「分かってもらえた」という安心感につながる可能性があります。そこから先は、説教や反省を求める必要はありません。子どもはすでに疲れ切っていることが多いからです。

どうして癇癪を起すの?」と思い、イライラしてつい怒ってしまいます。

確かに子どもに何が起こっているのか分からないとイライラしてしまいますよね。
周囲の視線との向き合い方
外出先で癇癪を起こす子どもへの対応として、まず知っておきたいのは、その場で癇癪を完全に止めることは難しい場合が多いということです。激しく泣いている子どもに言い聞かせても、叱っても、なだめても、感情が高ぶっている最中には届かないことが多いとされています。
そんなときにできることの一つとして考えられるのは、まず子どもの安全を確保することです。周囲の人にぶつからないように、危ないものから離れるように、そっと誘導する。それ以上のことを無理にしようとしなくても大丈夫です。
そして、できるだけ落ち着いた存在でいること。周囲の視線が気になって、親自身が焦ったり怒ったりすると、その感情が子どもに伝わり、かえって癇癪が長引く可能性があります。深呼吸をして、自分の気持ちを落ち着かせる。それが実は、子どもへの一番の支えになる場合があります。
もし可能であれば、少し静かな場所に移動することも助けになることがあります。人通りの少ない隅、外の空気が吸える場所、車の中。環境が変わることで、子どもの気持ちが切り替わる場合もあります。ただし、無理に抱えて移動しようとすると、かえって抵抗が激しくなることもあるので、子どもの様子を見ながら判断することが大切です。
癇癪が収まり始めたら、「大変だったね」と短く声をかけてみる。その一言が、子どもにとっては「分かってもらえた」という安心感につながる可能性があります。そこから先は、説教や反省を求める必要はありません。子どもはすでに疲れ切っていることが多いからです。
外出前にできる工夫
外出先で癇癪を起こす子どもへの対応として、事前にできる準備もあります。ただし、これらは癇癪を完全に防ぐ方法ではなく、少しでも子どもが落ち着いて過ごせるための工夫の一つとして考えることができます。
たとえば、外出する時間帯を選ぶ。空腹のとき、眠たいとき、疲れているときは、癇癪が起きやすくなる傾向があります。できるだけ子どもの体調が良い時間帯に外出することで、癇癪のリスクを減らすことができる場合があります。
また、外出先で何をするのかを、事前に子どもに伝えておく。「今からスーパーに行くよ。お買い物をして、すぐに帰ってくるからね」と簡単に説明するだけでも、子どもの不安は和らぐ可能性があります。予測できることは、子どもに安心感を与えることが多いとされています。
そして、子どもが落ち着けるものを持っていく。お気に入りのぬいぐるみ、小さなおもちゃ、お菓子。何か一つ、子どもが安心できるものがあるだけで、気持ちを落ち着かせる助けになる場合があります。
ただし、これらの工夫をしても癇癪が起きることはあります。それは親の準備が足りなかったからではなく、子どもがその瞬間に感じた感情が、コントロールできる範囲を超えただけのことです。
外出を恐れないために
外出先で癇癪を起こす子どもへの対応に疲れ切ってしまうと、外に出ること自体が怖くなることがあります。また同じことが起きるのではないか、周囲に迷惑をかけるのではないか、そんな不安が先立って、家に閉じこもりがちになってしまう場合もあるでしょう。
けれども、外出の経験そのものは、子どもの成長にとって大切なものであると考えられています。様々な場所を見ること、色々な人と出会うこと、予測できないことに対応する力を育てること。そうした経験の積み重ねが、やがて子どもの適応力を育てていく可能性があります。
だからこそ、無理のない範囲で、少しずつ外出を続けていくことが大切です。最初は近所の公園だけ、次は短時間のスーパーだけ。そうして小さな成功体験を積み重ねていくことで、子どもも、親自身も、少しずつ自信を取り戻していくことができる場合があります。
そして、もし癇癪が起きてしまったとしても、それは失敗ではありません。子どもにとっても、親にとっても、一つの経験です。次はどうすればいいか、何が子どもの気持ちを乱したのか。そうした気づきの積み重ねが、やがて対応の引き出しを増やしていく可能性があるのです。
もし外出先での癇癪が頻繁に起きて、日常生活に大きな支障が出ているようであれば、その背景に何か特別な理由がないか、専門家に相談してみることも一つの選択肢です。感覚の過敏さや、環境への適応の難しさなど、何か支援できることがある可能性もあります。
年齢ごとに癇癪の現れ方は変化していくことが一般的です。もし癇癪そのものについてもっと理解を深めたいと感じたら、年齢別の癇癪の特徴を知ることも助けになるかもしれません。
外出先で癇癪を起こす子どもへの対応に正解はありません。けれども、子どもの気持ちに寄り添いながら、親自身の心も大切にしながら、一つずつ試していくことができます。周囲の視線に負けず、自分を責めすぎず、今日できることを一つずつ積み重ねていく。その歩みそのものが、子どもにとっても、親にとっても、大切な成長の過程なのです。

ここまで読んでくれてありがとう。
※この記事は、公認心理師・臨床心理士の「ふくろう」が、心理支援の現場経験をもとに執筆しています。
一般的な心理学的知見に基づいた情報提供を目的としており、特定の診断や治療を行うもではありません。子どもの状態や状況には個人差があります。心配なことがある場合は、医療機関や専門機関への相談をご検討ください。
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子どもの癇癪については、
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