癇癪が続くとき相談に行く目安と相談先

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ふくろう
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こんにちは
公認心理師・臨床心理士のふくろうです。

はじめに

癇癪が長く続くと、「どこかに相談したほうがいいのでは」と迷うことがあります。

この記事では、相談を検討する目安や、主な相談先について整理して紹介します。

相談すべきか、もう少し様子どもを見るべきか

癇癪が続くとき相談に行く目安が分からず、迷っている親もいるのではないでしょうか。「これくらいで相談していいのだろうか」「まだ様子を見た方がいいのではないか」「相談したら大げさだと思われるのではないか」そんな思いが頭をよぎり、一歩を踏み出せずにいることもあるでしょう。

あるいは、周りからは「そのうち落ち着くよ」「考えすぎじゃない?」と言われて、自分の感じている不安が間違っているのではないかと思うこともあるかもしれません。けれども、心のどこかで「やはり何か支援が必要なのではないか」という直感があり、その直感と周囲の言葉の間で揺れ動いている。

相談することは、決して大げさなことではありません。不安を抱えたまま一人で悩み続けるよりも、専門的な視点から見てもらうことで、新しい理解や対応の道筋が見えてくることがあります。そして、相談することは子どもに問題があると認めることではなく、より良い支援を探すための一歩なのです。

どのタイミングで相談に行ったらいいのか分かりません。

ふくろう
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今日は相談の目安を話していくよ。

癇癪が続くとき相談に行く目安

癇癪が続くとき相談に行く目安として、いくつかの視点から考えることができます。ただし、これらはあくまでも目安であり、当てはまるからといって必ず問題があるわけではありません。逆に、当てはまらなくても、親自身が困っていれば相談する価値があります。個人差がありますので、すべてに当てはまるわけではありません。

一つの目安として、癇癪の頻度が挙げられます。毎日のように癇癪が起き、それが数ヶ月以上続いている場合、何か背景にある理由を整理する必要があるかもしれません。一時的に癇癪が増えることは誰にでもありますが、長期間続く場合は、その子どもが何か慢性的なストレスや困難を抱えている可能性があると考えられます。

また、癇癪の激しさも目安になる場合があります。自分や他人を傷つけるほど激しい、物を壊す、長時間収まらない。そうした激しさがある場合は、早めに相談した方がいいかもしれません。激しい癇癪は、子ども自身も苦しんでいる状態であることが多く、何らかの支援が役立つ可能性があります。

さらに、日常生活への影響も重要な目安だと考えられています。癇癪のために外出ができない、保育園や幼稚園に行けない、家族全員が疲弊している。そうした状況であれば、一人で抱え込まず、専門家の力を借りることが助けになる場合があります。

そして、年齢による変化も考慮するとよいでしょう。一般的には、年齢と共に癇癪は減っていく傾向があるとされています。けれども、年齢が上がっても癇癪が減らない、あるいは増えている場合は、何か特別な理由がないか確認する価値があるかもしれません。特に小学生になっても頻繁に激しい癇癪がある場合は、相談を検討してもいいかもしれません。ただし、年齢や発達によって異なりますので、すべてに当てはまるわけではありません。

親自身の状態も大切な目安

癇癪が続くとき相談に行く目安として、子どもの状態だけでなく、親自身の状態も重要な判断材料になることがあります。

毎日の癇癪に疲れ切っている、子どもと向き合うことが辛い、自分を責める気持ちが強くなっている。そうした状態が続いているのであれば、それ自体が相談に行く十分な理由になる場合があります。親の心の健康は、子どもの育ちにも影響することがあります。だからこそ、親自身が限界を感じているときには、遠慮せず相談することが大切です。

また、周囲との関係がギクシャクしている場合も、相談のタイミングかもしれません。パートナーとの意見が合わない、祖父母から批判される、ママ友との関係がうまくいかない。そうした孤立感の中で、一人で対応し続けることは非常に辛いことです。専門家という第三者の視点を得ることで、家族間の理解も深まることがあります。

さらに、様々な対応を試してもうまくいかないと感じているときも、相談の時期だと考えられます。声かけを工夫した、生活リズムを整えた、環境を調整した。けれども状況が変わらない。そんなときは、別の視点からのアドバイスが役立つことがあるかもしれません。

どこに相談すればいいのか

癇癪が続くとき相談に行く目安が分かっても、どこに相談すればいいのか分からないということもあるでしょう。相談先はいくつかあり、それぞれ特徴があります。

まず、最も身近な相談先の一つとして、保健センターや子育て支援センターが挙げられます。多くの自治体にあり、保健師や臨床心理士などが相談に応じてくれる場合があります。電話でも対面でも相談できることが多く、敷居が低いのが特徴です。ここでの相談を通して、必要に応じてより専門的な機関を紹介してもらうこともできます。

保育園や幼稚園、学校に通っている場合は、園や学校の先生に相談することも有効な場合があります。特にスクールカウンセラーや巡回相談員がいる場合は、専門的な視点からアドバイスをもらえることがあります。また、園や学校での様子を知っている人に相談することで、家庭とは違う側面も含めて子どもを理解できることがあります。

発達相談や療育相談の窓口も、相談先の一つです。自治体の福祉課や子ども家庭支援センターなどに設置されていることがあります。発達面での心配がある場合や、より専門的な評価が必要な場合に利用できます。予約が必要なことが多いので、事前に問い合わせることが大切です。

小児科医に相談することもできます。かかりつけの小児科医がいる場合、まずそこで相談してみるのも一つの方法です。医学的な視点から見て、何か身体的な問題がないか、専門機関への紹介が必要かどうかを判断してもらえることがあります。

児童精神科や小児神経科といった専門的な医療機関もあります。ただし、初診の予約が取りにくいことも多いので、まずは上記のような身近な相談先から始めて、必要に応じて紹介してもらう形が現実的かもしれません。

相談先はいろいろあるんですね。

相談に行く前に準備しておくこと

癇癪が続くとき相談に行く前に、いくつか準備しておくと、相談がスムーズになることがあります。

まず、癇癪の様子を記録しておくことが助けになる場合があります。いつ、どんな場面で、どのくらいの時間、どんな様子で癇癪が起きるのか。簡単なメモでも構いません。具体的な情報があると、相談を受ける側もより的確なアドバイスができることがあります。

また、これまでに試したことや、その結果も整理しておくとよいでしょう。どんな対応をしたか、それに対して子どもはどう反応したか。うまくいったこと、うまくいかなかったこと。そうした情報が、次の手立てを考える材料になることがあります。

さらに、子どもの発達や生活の様子についても振り返っておくとよいかもしれません。言葉の発達、運動の発達、睡眠や食事の状況、友達関係など。癇癪だけでなく、子ども全体の様子を伝えることで、より包括的な理解が得られることがあります。

そして、何を相談したいのか、何を知りたいのかを自分の中で整理しておくことも大切です。癇癪への対応方法を知りたいのか、発達面での心配を相談したいのか、自分自身の気持ちを聞いてほしいのか。目的がはっきりしていると、相談もより有意義なものになることがあります。

相談することへの抵抗や不安

癇癪が続くとき相談に行く目安が分かっていても、実際に相談することには抵抗や不安があるかもしれません。

「相談したら、我が子に何か診断がつくのではないか」という不安を持つ方もいるでしょう。けれども、相談することと診断を受けることは別のことです。多くの場合、相談は子どもの理解を深め、適切な関わり方を見つけるためのものです。診断が必要かどうかも含めて、専門家と一緒に考えていくことができます。

また、「相談したら親として失格だと思われるのではないか」という心配もあるかもしれません。けれども、相談することは決して失格ではなく、むしろ我が子のために最善を尽くそうとしている証です。多くの場合、専門家は相談に来た親を責めるのではなく、共に考えるパートナーとして接してくれます。

さらに、「相談しても何も変わらないのではないか」という諦めもあるかもしれません。確かに、一度の相談で劇的に状況が変わることは稀です。けれども、新しい視点を得ることで、少しずつ状況が改善していくことはあります。そして何より、一人で抱え込まなくていいという安心感が得られることも、相談の大きな意味です。

相談先で何を聞かれるのか

癇癪が続くとき相談に行くことを決めても、何を聞かれるのか不安に思うこともあるでしょう。

多くの場合、まず癇癪の様子について詳しく聞かれることがあります。いつ頃から始まったか、どんな場面で起きやすいか、どのくらい続くか、どう対応しているか。こうした質問は、子どもの状態を理解するための情報収集です。責められているのではなく、より良い支援を考えるための確認だと考えてください。

また、癇癪以外の様子についても聞かれることがあります。発達の状況、生活の様子、家族の状況など。これは、癇癪だけを切り離すのではなく、子ども全体を理解するための質問です。答えにくいことがあれば、無理に答える必要はありません。話せる範囲で伝えれば大丈夫です。

そして、親自身の気持ちについても聞かれることがあります。どんなことが辛いか、どんな支援があると助かるか。これは、親自身もサポートの対象だからです。遠慮せず、正直に気持ちを伝えることが大切です。

相談後の流れ

癇癪が続くとき相談に行った後、どうなるのかも気になるところでしょう。

相談の結果、「今は様子を見ましょう」と言われることもあります。これは決して「問題ない」ということではなく、今の段階ではこれ以上の介入は必要ないという判断である場合があります。ただし、何か変化があったら再度相談してくださいと言われることが多いので、定期的に振り返ることが大切です。

具体的な対応方法をアドバイスされることもあります。声かけの工夫、環境の調整、生活リズムの見直しなど。それらを実践してみて、また相談に来るという形で継続的にサポートを受けることもできます。

より専門的な機関を紹介されることもあります。発達検査を受けてみる、療育に通ってみる、医療機関を受診してみる。紹介されたからといって、必ず何か問題があるわけではありません。より詳しく見てもらうことで、子どもに合った支援が見つかることもあるのです。

そして、継続的な相談や支援につながることもあります。定期的に相談に来る、グループでの相談会に参加する、親子教室に通う。そうした継続的なサポートが、親の孤独を軽減し、子どもの成長を支えることにつながる場合があります。

相談は一度きりではない

癇癪が続くとき相談に行くことを、一度きりの大きな決断だと思う必要はありません。

相談してみて、合わないと感じたら別の場所に相談してもいいのです。相談先によって、雰囲気も対応も異なります。自分に合った相談先を見つけることも大切です。

また、一度相談して落ち着いたとしても、また困ったときには再度相談していいのです。子どもの成長と共に、悩みも変化することがあります。その時々で必要な支援を求めることが、子育てを続けていく上での支えになる場合があります。

そして、相談することは決して恥ずかしいことではありません。多くの親が、何らかの形で相談や支援を利用しています。一人で抱え込まず、必要なときに助けを求めることは、親としての強さでもあるのです。

もし相談に行くことを決めたなら、その一歩を踏み出した自分自身を認めてあげてください。子どものために、そして自分自身のために、勇気を出して相談に行こうとしているその姿勢を、まずは大切にしてほしいと思います。

癇癪が続くとき相談に行く目安は、明確な線引きがあるわけではありません。状況によって変わりますので、すべてに当てはまるわけではありません。けれども、困っているという気持ちがあれば、それ自体が相談する十分な理由になることがあります。もし癇癪への対応に疲れ切っているのであれば、一人で悩まず、誰かの力を借りることも選択肢に入れてみてください。相談することで、新しい道が開けることもあります。焦らず、自分を責めず、必要なときには助けを求めていけたらと思います。

ふくろう
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ここまで読んでくれてありがとう。


※この記事は、公認心理師・臨床心理士の「ふくろう」が、心理支援の現場経験をもとに執筆しています。
一般的な心理学的知見に基づいた情報提供を目的としており、特定の診断や治療を行うもではありません。子どもの状態や状況には個人差があります。心配なことがある場合は、医療機関や専門機関への相談をご検討ください。

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